Chapter 3 ~ Immunda Animus 不浄の魂 ~
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VRでは、日本から1万キロ離れたバチカンまでの移動はあっと言う間だった。

 

サンピエトロ広場のオベリスクの前まで来ると、リリスはソウイチのときと同じリプレイを試し観た。

 

「problem arises リプレイ」

 

”ピピピッ、該当データーなし”

 

すぐそばの空間から声がした、co-aiと呼ばれているAIらしい。

声のする方に目を凝らしたが、空間がわずかに歪んで居る以外何も見つけられなかった。

 

「なんで…」

 

リリスの表情が歪む。

キリトは人工的に作られたAIなのに、とても人間らしい表情をするリリスに感心した。

 

でも、そのリリスの表情がどこか懐かしくも感じていた。


 

「これは!?」


 

そう呟くと、リリスはオベリスクの傍まで歩いて行き、何かを探すように調べていた。

 

「Internum structuram aliquet、内部構造を調べて」

 

リリスがそう言うと、空間の歪みがだんだん実体化して丸いボールのような物が現れた。

サッカーボールくらいの大きさの銀色の球体の上側に、ちょこんと付いた目のような突起が二つ付いていて、まるでカエルの顔のようだなとキリトは思った。

 

リリスは不思議そうにカエルのような球体を見ているキリトを見て、少しクスっと笑って言った。

 

「co-aiだよ」

 

「これもAIなんだ、なんか可愛いね」


 

”タイプ4、ウイルス。シンニュウシャ アリ”


 

「タイプ4、トロイ… なんで…」

 

「hierarchy investigation、階層調査」

 

”カイソウチョウサ、ジッコウシマス”

 

co-aiの電子的な声でそう言ったかと思うと、警告音のようなアラームが鳴り始めた。

 

”CAUTION!システムニ イジョウガアリマス!CAUTION!システムニ イジョウガアリマス!”


 

突然、co-aiの周りの空間にノイズが入り、co-aiの姿がキリト達の目の前で消滅した。


 

「え!?なに?」

 

「co-aiが消えちゃった…」

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「ミハエル!大変だよ!」

 

「そんなに慌ててどうした?」

 

「サンピエトロ広場のオベリスクに接触反応があったみたいなんだ」


 

「AI及びDouble Avatarを確認しました。」

 

AIエリーニュスがサマエルの後に付け加える様に言う。


 

「Double Avatar… 人間か?」

 

「僕たち以外にあそこに行ける人間って…」

 

「詳細情報を収取していますが、ECMにより困難です」

 

AIアルテミスがそう伝えると、ミハエルは表情を変えず僅かに目を細めた。

 

「直接確かめた方が早いな」

 

AIアルテミスはミハエルに頷く。

 

「VR起動します」


 

「僕も行く」

 

サマエルが言いかけたが、ミハエルは手で静止するような相図をした。


 

サマエル:わかった... 気を付けてください。

* この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

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