* この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

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chapter1 ~ Distorted 歪 ~
page 04

翌朝、学校へと向かう途中、ケイにAIアシスタントの話をしたくて気持ちが高揚していた。

教室の扉を開けると、ケイとクラスメイトの男子が揉めているのが目に飛び込んで来る。

 「返せよ!」

キリトは始めて聞くケイの大きな声に少し驚いたが、今起きている状況を理解するために、入口に立ったまま状況を伺った。

 「お前さ、いっつも携帯みてるよな、携帯が友達なんだろ?気持ちわりいんだよ!」

 「うるさい、僕の携帯を返せ!」

キリトは2人の元についと近づくと、平戸から携帯を奪い取って言った。

 「人の物を無理矢理奪うのは良くないだろ?」

 「あ?なんだお前?生意気だな!」

平戸は突然現れたキリトを鋭い目線で睨みつけると、詰め寄ってキリトの胸倉を掴んだ。
その時、見計らった様に教室の扉が開き担任教師が入って来た。

 「なんだ?騒がしいな。とりあえずお前ら席につけよ。ホームルームを始めるぞ」

教室内を見渡しながら入ってきた教師は軽い口調で言いながら教壇の前に立つと、特に気にする素振りを見せずに授業を始める。

キリトの鼓動は少しづつ治まり、頭が冷静に判断できるまで落ち着いてきた。

 「 平戸アキラ…」

キリトがこの学校に転校してきて、一番最初に気になったのがこの平戸アキラだった。

彼は他の生徒よりも大人びた雰囲気を持っていて、目つきは鋭く笑顔を殆ど見たことがなかった。
確かに不良グループのリーダーと言った感じではあったが、イジメをするようなタイプには見えなかったので、今朝のケイとの関りがイマイチ腹に落ちないでいた。

平戸について色々考えている時、ポケットの中の携帯電話が振動する。

以前通っていた高校では、授業中に携帯電話は使用できないように緊急連絡以外はロックが掛けられるシステムが導入されていたが、この学校は割と自由で使用の制限は自己判断に任されていた。

キリトはそっとポケットから携帯電話を取り出し画面を確認すると、ケイからのメッセージが届いていた。

『ありがとう』と一言だけ書かれたメッセージに複雑な気持ちを重ねると、再び携帯をポケットに戻す。