Chapter 3 ~ Immunda Animus 不浄の魂 ~
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アメリカ、ワシントンD.C. ナショナルモール

 

左右に切り分けられた木立の間に聳え立つワシントン記念塔を、見つめるように立てられたエイブラハム・リンカーンの銅像の前で1人の男がリンカーンと同じ物を見つめていた。

 

「久しぶりのアメリカだな!美味いバーボンと良い女のにおいがするぜ!」
 

「ハイ、当国は重要顧客ですから」
 

「ハッハッ、ジャンジャン稼がせてもらうぜ!頼むぜぇ~」

 

そういうとポケットから煙草を取り出し火をつけた。

 

「Lucky Strike、ビンテージですね」
 

「へへっ、昔のダチがくれたんだよ、戦場でよく回し飲みしたもんだ。お前AIの割りには解ってるね~」

 

「そろそろ約束のお時間です」
 

 

バッカスは無造作に煙草を足で潰し、背伸びをした。

 

「すぐにお迎えの車が到着します」
 

 

ナショナルモールに面した道路に黒塗りの大型SUVが停まった。

 

バッカスは従者の体の中をスッと通り抜け、腕に装着した小型の電子デバイスのスイッチを切ると同時に従者の姿も陽炎のように消えた。


 

高層ビルの屋上にあるナイトプールに付くと、ラウンジャーに寝そべっている女性の元へ歩きながらバッカスは、その女性に話しかけた。

 

「また優雅なもんだねぇ~」

 

「余計な挨拶はいらないわ。で、情報は?」

 

そういいながら、ソフィーティアはかけていたサングラスを外し、片膝を上げ少し上半身を起こしながらバッカスを見た。

 

その妖艶な目つきでどれほどの男を地獄へ落としてきたのか…

そう考えながらバッカスはソフィーティアに話しをする。

 

「まぁそう慌てなさんな、急がなくてもお前さんの美貌は失わないぜ」

 

ソフィーティアは黙ったままバッカスを凝視する。

 

「わかった、わかった、RT645だろ。苦労したけど情報は掴んだぜ!」

 

「これはヤバイしろもんだぜ~ うっひょ!ぞくそくしてきた」

 

ソフィーティアがキッと睨みつける。

 

「RT645、プレージ・アブ・エージェント”神罰の代行者”が開発している…いや、もう動いてるか… 想像以上の代物だったぜ」

 

「人間を生きたままロボットにしちまうデバイスだからな。なんでも素直に言うことを聞く人間ロボットだ! 俺も美人のロボットが欲しいぜ~」

 

「悪魔のデバイス…」

 

ソフィーティアはそう呟くと、何かを思案するように遠くを見つめた。

* この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

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